講演会 もっと知りたい!桜島
先人が残した噴火の記録とその教訓〜

 2003年1月26日(日)


受付のようす。会場は桜島町公民館。
講演のようす。講師は鹿児島大学の井村隆介助教授。
井村先生が熱弁をふるっています。「災害は忘れた頃にやってくる」。

 

2003年1月26日に桜島町公民館にて上の演題で講演会を行いましたので,ここに報告致します。講師に鹿児島大学理学部の井村隆介助教授をお呼びして,歴史資料から分かる過去の噴火の様子とその教訓について話して頂きました。全部で31名の方に参加して頂き,そのうち8名が桜島島内にお住まいの方でした。

この講演で私が最も重要だと感じた部分を以下にまとめます。

約200年前の安永噴火で災害にあった人が「噴火の前には地震があるから気をつけなさい」と書き残していたにも関わらず,それから約100年後の大正噴火でも災害は繰り返されました。そして「噴火の前には異変があるから前もって避難の準備をするように」と全く同じような内容を書き残し,石碑を建てています。そして現在,ほとんどの人がこれらの噴火の記録を目にする事も耳にする事なく,その教訓が忘れ去られそうになっています。また同じように災害は繰り返されてしまうのでしょうか…。まさに「災害は忘れた頃にやってくる」ということですが,逆に忘れなければ災害を軽減したり防ぐことができるということです。

今回の講演会は「災害を忘れない」という意味で大変有意義なイベントであったと思います。アンケートの結果を見ますと,9割近くの方から「同じような講演会があればまた参加したい」とのご回答を頂いていますし,「もっと多くの人に聞いてもらいたい」とのコメントも頂きました。今回の講演会の内容をまとめた資料がありますので,より多くの人に読んで頂ければと思っております。

最後に,今回の講師をして頂いた井村隆介先生,協賛して頂いた桜島町教育委員会,京都大学防災研究所付属火山活動研究センター(桜島火山観測所),ご協力を頂いた桜島町公民館,火の島めぐみ館,旬彩館の皆様に記してお礼を申し上げます。

(福島大輔)

詳しい講演内容
アンケート結果

 

この講演会の様子は南日本新聞で紹介されました。


南日本新聞 2003年1月28日

 

この講演会は、京都大学防災研究所21世紀COEプログラム ―災害学理の究明と防災学の構築―
「桜島における火山・防災情報の発信と教育・普及に関する実践的研究」の一環でもあります。